SNS広告用のクリエイティブは、Metaのフィードなら4:5、Reelsなら9:16、Xなら1:1または1.91:1、TikTokのインフィード動画なら9:16を基準に用意します。LINEヤフー広告は、出稿する配信面の規格を管理画面で確認します。2026年9月28日に各媒体の公式仕様を確認しました。配信面・広告形式で条件が変わるため、入稿前には広告管理画面のプレビューも確認してください。

仕様の確認から始める

広告用と投稿用では、同じSNSでも規格が異なります。広告用のサイズが配信面に合わないと、媒体側でトリミングされ、キャッチコピーやロゴが欠けることがあります。制作前に配信面を決め、媒体別の公式仕様に合わせて書き出すことが基本です。

その「SNSバナー」は広告用か、投稿用か

本題に入る前に、ひとつ確認しておきたいことがあります。「SNSバナー」という言葉は、実際には性質の違う2つを指して使われています。

ひとつは広告として配信するバナーです。媒体の入稿規定があり、サイズが合っていないと自動でトリミングされたり、そもそも入稿できなかったりします。費用が発生する以上、規定に合わせることが前提になります。

もうひとつは、通常投稿の画像やプロフィールのヘッダー画像です。こちらは広告ほど厳密な入稿規定はありませんが、表示される枠の比率に合っていないと、意図した部分が切れて表示されます。

この記事が扱うのは前者、広告用のバナーです。作ったものを広告として配信する予定なら、このまま読み進めてください。

投稿用の画像を作りたい場合は、広告用のクリエイティブをそのまま流用せず、投稿しようとしている媒体のヘルプで寸法と表示範囲を確認してください。広告面と投稿面では仕様が別に更新されます。バナーそのものの見せ方や訴求の作り方はバナーデザインのコツに切り出しています。

各SNSプラットフォームの広告クリエイティブサイズ一覧

以下は、2026年9月28日に確認できた各媒体の公式仕様から、静止画または動画を用意するときの基準を抜粋したものです。配信面やキャンペーン目的で条件が変わるため、ここにない形式は広告管理画面または末尾の公式仕様で確認してください。

媒体確認できた広告形式サイズ・作成基準比率
MetaFacebook / Instagramフィード画像1440 × 18004:5
MetaReels用クリエイティブ重要要素をセーフゾーン内に置いて制作9:16
X単一画像広告1200 × 1200 または 1200 × 6281:1 または 1.91:1
Xカルーセル画像広告800 × 800 または 800 × 4181:1 または 1.91:1
LINE(既存LINE広告マニュアルの静止画仕様)静止画1200 × 628 または 1080 × 10801.91:1 または 1:1
TikTokインフィード動画(Non-Spark)540 × 960以上9:16

媒体をまたいで準備するなら、フィード用4:5、縦型用9:16、正方形1:1、横長1.91:1を別の書き出しとして用意します。Xでは1.91:1を含む複数の比率に対応しており、TikTokは広告形式によって最小解像度が異なります。LINEヤフー広告を含め、元データを流用する際も入稿画面で最終確認が必要です。

Meta(Facebook / Instagram)

Metaは配信面ごとに必要なアスペクト比が異なります。フィード画像は4:5、Reels用クリエイティブは9:16を基準にします。

配信面サイズ・作成基準アスペクト比備考
フィード画像(Facebook / Instagram)1440 × 18004:5Meta Ads Guideで確認
Reels用クリエイティブ重要要素をセーフゾーン内に置く9:16MetaのReelsガイドで9:16を案内

正方形など別の比率を使える配信面もありますが、対応範囲は目的や配置によって異なります。各配信面の正確な入稿条件は、Meta Ads Guideと広告マネージャーのプレビューで確認してください。画像内のテキスト量や表示領域の扱いも更新されるため、過去のルールだけで判断しないことが大切です。

X(旧Twitter)

配信面推奨サイズ(px)アスペクト比備考
単一画像広告1200 × 12001:1X Businessの推奨サイズ
単一画像広告1200 × 6281.91:1X Businessの推奨サイズ
カルーセル画像広告800 × 8001:12〜6枚のカード
カルーセル画像広告800 × 4181.91:1カード内の比率は統一する

Xの画像広告は複数の比率に対応しています。どの比率を使うかは配信面と見せたい情報量で決め、同一カルーセル内では比率をそろえます。入稿前には、広告管理画面のプレビューでテキストやCTAが欠けていないかを確認してください。

LINE広告

LINE広告は2026年6月30日をもって新規アカウント開設の申込を停止し、LINEヤフー広告に統合されています。既存のLINE広告マニュアルでは、静止画は1200 × 628または1080 × 1080、画像(小)は600 × 400で入稿します。新しい出稿では、LINEヤフー広告の管理画面で対象の配信面と入稿条件を確認してください。

画像形式推奨サイズ(px)アスペクト比備考
画像1200 × 6281.91:1静止画の入稿サイズ
画像1080 × 10801:1静止画の入稿サイズ
画像(小)600 × 4003:2小型画像用の形式
カルーセル1080 × 10801:1カードに使う静止画

スマートフォン上での見え方は配信面によって変わります。重要な文字やロゴは小さくしすぎず、広告管理画面のプレビューと実機表示で確認してください。

TikTok広告

TikTokのインフィードオークション広告(Non-Spark)では、縦型9:16の動画が推奨されています。広告形式ごとに条件が異なるため、TopViewや画像広告の仕様は同じ数値として扱わず、該当形式の公式ページで確認してください。

広告形式最低サイズ(px)アスペクト比備考
インフィード動画(Non-Spark)540 × 960以上9:16縦型が推奨
インフィード動画(Non-Spark)960 × 540以上16:9横型も対応
インフィード動画(Non-Spark)640 × 640以上1:1正方形も対応

縦型動画では、テキストやロゴをセーフゾーン内に置きます。TikTokはプレビューと実際の表示に差が出る場合があると案内しているため、重要要素がUIに重ならないかを入稿前に確認してください。

1つの元データから4比率に展開する制作手順

「媒体ごとに全部作り直すことになるんですか」。制作費の見積もりを出すと、ほぼ必ず聞かれる質問です。4媒体の配信面をすべて個別に作れば、当然その分だけ工数は積み上がります。ただ実務では、1つの元データを作り込んでから各比率へ展開したほうが、工数も抑えられますし、媒体をまたいだトーンも揃います。

起点にするのは9:16の縦型フル画面です。4つの比率のうち最も縦に長いのが9:16なので、ここを基準にすれば、あとは横方向に切り出す作業で他の比率に落とせます。逆に1.91:1の横長から作り始めると、縦に伸ばすときに背景を作り足す必要が出てきて、そこで破綻します。

次に、要素を動かす前提でレイヤーを分けておきます。背景、メインビジュアル、キャッチコピー、CTA、ロゴ。この5つを別レイヤーで管理しておけば、比率が変わったときに「コピーだけ下げる」「ロゴだけ縮める」といった調整が数分で終わります。背景にテキストを焼き込んだ状態のデータを受け取ってしまうと、展開のたびに作り直しです。制作を外部に依頼する場合は、発注の時点で「4比率への展開を前提とした元データで納品してほしい」と伝えておくことをおすすめします。

最後が文字量の調整です。同じキャッチコピーを4比率すべてにそのまま載せるのは無理があります。9:16なら2行で収まるコピーが、1.91:1では1行に詰めないと読めません。元データの段階でフルバージョンと短縮バージョンの2種類を用意しておくと、展開の速度がまったく変わります。

セーフエリアは実機のプレビューで確認する

縦型フル画面の配信面では、画面の上下に媒体側の操作UIが重なります。アカウント名、キャプション、CTAボタン、リアクション用のアイコン。ここに重要な要素を置くと、入稿データ上はきれいに読めていても、実際の配信では隠れてしまいます。

各媒体が案内するセーフエリアの数値は仕様変更が入るため、制作段階で数値を覚えるより、広告管理画面のプレビュー機能で実機表示を確認するほうが確実です。Meta広告マネージャもTikTok広告マネージャーも、入稿前に配信面ごとのプレビューを表示できます。ここで「キャッチコピーがCTAボタンに被っていないか」「ロゴがアカウント名の裏に回り込んでいないか」を目視で確認します。

仕様変更に振り回されないための安全策としては、上下の余白を広めに取り、読ませたい要素を画面の中央寄りに集めておくことです。多少の仕様変更が入っても、中央に寄せた要素であれば隠れることはまずありません。

プラットフォーム別のデザイン最適化ポイント

サイズを押さえたら、次は各プラットフォームのユーザー行動に合わせたデザイン設計です。同じ商材でも、出す場所によってバナーの作り方はまったく違ってきます。

Meta広告は「自然に溶け込む」設計が効く

Metaのフィード広告で成果が出るバナーには共通点があります。広告っぽくないことです。

FacebookもInstagramも、ユーザーは友人の投稿や日常のコンテンツを見にきています。そこに明らかに広告然としたバナー、たとえば派手な赤や黄色の背景に「期間限定!」と大きく書かれたものが出てくると、ユーザーは反射的にスクロールで飛ばしてしまいます。

実務で効果が高かったアプローチは、オーガニック投稿に近いトーンで作ることです。商品やサービスの利用シーン写真に、短いコピーを載せるだけ。背景色も商品の世界観に合わせたナチュラルな色味にします。UGC(ユーザー生成コンテンツ)風のテイストは反応率が高い傾向にあります。

入稿前には、Meta公式の「広告ライブラリ」で競合や同業種の配信クリエイティブを確認しておくと、外しにくくなります。同業界でどんなバナーが多く配信されているかをリサーチしてから制作に入るのが効率的です。

X広告では配信面に合わせて情報量を調整する

Xの広告クリエイティブは、配信面の比率と表示領域を広告管理画面のプレビューで確認し、読み取れる情報量に調整します。

使う要素は、伝えたい内容と配信面に合わせて決めます。ビジュアル、コピー、CTAを含む案を用意し、重要な情報が表示領域で読めるかを確認します。訴求を比較するときは、変更する要素を絞ります。

数値をバナーに入れる場合は、広告主が確認できる出典、計測条件、対象期間のある事実に限ります。バナー内で条件を伝えきれない場合は、遷移先に補足を用意します。数値を含む案と含まない案は、同じ配信条件でCTR、コンバージョン数、CPAを比較します。

LINE広告ではテキストの見え方を確認する

LINE広告は、配信面によってクリエイティブの見え方が変わります。文字の大きさや情報量は、広告管理画面のプレビューと実機表示で確認します。

LINEのバナーで失敗するパターンの多くは、情報を詰め込みすぎることです。商品名、価格、割引率、キャンペーン期間、ロゴをすべて1枚のバナーに入れると、スマホで見たとき何も読めなくなります。

LINE広告では、バナーごとに何を伝えるかを明確にします。複数の訴求を比較する場合は、違いが判断できるように各案の変更箇所を絞り、同じ配信条件でCTR、コンバージョン数、CPAを確認します。

TikTok広告では冒頭の訴求を比較する

TikTokのNon-Sparkインフィード動画では、冒頭で誰向けの何を伝える広告かを示す案を用意し、視聴状況、CTR、コンバージョン数、CPAを確認します。最初の数秒に何を示すか、動画の長さ、訴求の順序は、配信面と目的ごとに比較します。

冒頭案には、問いかけ型(「〇〇で困っていませんか?」)、提供価値型(「〇〇の手順を整理する」)、Before/After型(課題と変化を並べて示す)があります。数値を入れる場合は、広告主が確認できる根拠と条件を示せる内容に限ります。

TikTok Creative Center(TikTok公式の広告事例集)で、配信面に合う構成や表現を確認し、検証する案を作ります。

静止画・動画・カルーセルの使い分け

「うちは静止画と動画、どちらで広告を回せばいいですか」という質問をよく受けます。答えは商材と目的によりますが、もう少し具体的に整理します。

静止画バナーが向いているケース

  • 認知目的の広告で、ブランドイメージを伝えたいとき
  • LPへの遷移が目的で、バナーは「入口」として機能すれば十分なとき
  • 制作リソースが限られていて、まず最小コストで配信を始めたいとき
  • BtoBリード獲得で、ホワイトペーパーDLやセミナー告知に使うとき

静止画と動画の制作費は、素材の準備、撮影、編集、出演、尺、比率展開、修正回数で変わります。制作リソースが限られる場合は、まず静止画で訴求を比較する方法もあります。配信データで有効な訴求が確認できてから、必要に応じて動画へ展開します。

動画広告が向いているケース

  • 商品・サービスの使い方や効果を見せたいとき(How to / デモ系)
  • TikTokやInstagramリールなど、動画ネイティブな配信面を活用するとき
  • 静止画でCTRが頭打ちになり、新しいフォーマットで突破したいとき
  • ストーリー性のある訴求で感情に訴えかけたいとき

動画と静止画のどちらが成果につながるかは、訴求内容、配信面、オーディエンスによって変わります。動画を使う場合は、冒頭で誰向けの何の広告かを伝える案と、静止画を含めた別形式を同じ条件で比較します。CTRだけでなく、動画の視聴状況、コンバージョン数、CPAも確認して採用する形式を決めます。動画の長さも固定せず、媒体の仕様と伝える内容に合わせて複数の尺をテストします。

カルーセル広告が向いているケース

  • 複数商品を並列で紹介したいとき(EC、不動産、旅行など)
  • ステップ形式で順を追って説明したいとき(Before/After、導入フローなど)
  • 1枚のバナーでは説明しきれない複雑なサービスを分解して伝えたいとき

カルーセル広告は、MetaとXで利用できます。複数のカードを使う場合は、各カードの役割と順番を設計します。カルーセルと単一画像のどちらを使うかは、広告管理画面で確認できるクリック、コンバージョン数、CPAを比較して決めます。

CTR改善のためのABテスト項目

バナーは作って終わりではありません。配信して、数字を見て、改善する。このサイクルを回すうえでABテストは欠かせません。

ただ、「とりあえずABテストしましょう」と言うだけでは具体性がありません。ここでは、バナーのCTR改善に効果が高いABテスト項目を、優先度順に並べます。

優先度1:メインビジュアルの変更

メインビジュアルは、最初に試す価値がある要素です。人物写真と商品写真、イラストと写真、写真の色調(暖色と寒色)などを一つずつ差し替え、同じ訴求と配信条件でCTR、コンバージョン数、CPAを比較します。結果が出た素材を、次のコピーやCTAを検証するときの基準にします。

テスト時の注意点は、変更を1要素に絞ること。ビジュアルとコピーとCTAを同時に変えると、何が効いたのかわからなくなります。

優先度2:キャッチコピーの切り口

同じサービスでも、訴求の切り口によって反応が異なることがあります。

  • 課題提起型:「〇〇にお困りではありませんか?」
  • 提供価値型:「〇〇の作業を進めやすくするための支援」
  • 根拠案内型:「利用条件と導入事例を確認する」
  • 行動案内型:「資料で詳細を確認する」

どの切り口が反応につながるかは、検討段階や商材によって変わります。比較したい違いが明確な複数案を用意し、コピー以外の要素をそろえて配信データで確認します。

優先度3:CTAテキスト

「詳しく見る」「無料で試す」「資料をダウンロード」「今すぐ申し込む」。CTAの文言は、比較する要素の一つです。

CTAには、クリック後に何が起きるかを実際の提供条件に沿って書きます。所要時間、費用、対象者などを記載する場合は、誤認を招かない内容かを確認します。文言を変えるときは、他の要素をそろえたうえで、CTRだけでなくコンバージョン数とCPAも比較します。文言の考え方はバナーでもLPでも共通なので、CTAの最適化で挙げている表現パターンを確認してください。

優先度4:配色・レイアウト

背景色、テキスト色、ボタン色の組み合わせは、フィード上での視認性に直結します。タイムラインの背景(Metaなら白、Xならダーク/ライトモード両方)に対して、バナーがしっかりコントラストを持っているかがポイントです。

ABテストの運用では、事前に決めた判断条件を満たすまで配信を続けます。必要なデータ量は、配信量、想定する差、広告費、判断を誤ったときの影響によって変わるため、固定のクリック数だけで勝ち負けを決めません。広告管理画面の比較機能や実験機能を使い、CTRに加えてコンバージョン数とCPAも確認します。ABテストの基本的な考え方については、関連記事「ABテストとは?基礎知識と実施手順をわかりやすく解説」も参考にしてください。

AI画像生成ツールのSNSバナー活用

2026年現在、バナー制作の現場でもAI画像生成ツールの活用が進んでいます。ただし、使い方には注意が必要です。

バナー制作に使えるAIツール

Adobe Fireflyは、Adobe Creative Cloudに統合されており、Photoshopから直接AI画像を生成できます。商用利用が明確に許可されている点が大きな強みです。背景素材の生成、被写体の拡張(生成拡大)、テキストエフェクトなど、バナー制作との親和性が高い機能が揃っています。

Canva AIは、デザインツールCanvaに搭載されたAI画像生成機能です。テンプレートベースでバナーを制作している場合、Canva内でAI画像を生成してそのままデザインに組み込めるワークフローが効率的です。SNS広告サイズのテンプレートも豊富に用意されています。

MidjourneyやChatGPTの画像生成(GPT Image)を使う場合も、商用利用の可否、利用条件、生成物の扱いは各ツールの公式利用規約で確認してください。プランや規約は更新されるため、制作時点の条件を確認し、生成物の利用範囲を発注者と共有します。

AI活用の実務的なポイント

バナー制作でAIツールを使う場面は、主に以下の3つです。

  • 素材画像の生成・編集:ストックフォトで見つからない構図やイメージをAIで生成し、バナーの素材として使う
  • バリエーション展開:1つのベースデザインから色違い・コピー違い・レイアウト違いのバリエーションを短時間で量産し、ABテスト用クリエイティブを増やす
  • ラフ案の高速検証:デザイナーに発注する前に、AIでラフイメージを複数パターン出し、クライアントやチームと方向性を揃える

一方で、AIで生成した画像をそのままバナーに使う場合のリスクもあります。

  • ブランド一貫性の欠如:AIの出力はプロンプトごとにスタイルがブレやすいため、複数バナーを並べたとき統一感が崩れることがある
  • 細部の品質:文字の読めない看板、指の本数がおかしい人物など、AIの生成画像には定番の不具合がある。入稿前の目視チェックは欠かせない
  • 著作権・肖像権のリスク:生成した画像が既存の写真作品や実在人物に酷似するケースがある。特に人物画像は慎重に扱う必要がある

AIはバナー制作の効率化ツールとして使い、最終的なクオリティ判断は人間が行うのが望ましいと考えています。AIに丸投げするのではなく、工程の一部を加速させる道具として使うのが2026年時点での現実的なやり方です。

バナーデザインの基本テクニックやクリック率向上の具体的な手法については、「バナーデザインのコツ|クリック率が上がる文字数・配色・A/Bテスト」でより詳しく解説しています。SNS広告に限らずバナー全般の制作力を上げたい方はあわせてご覧ください。ツールごとの生成品質や商用利用条件を比較したい場合は画像生成AIの比較にまとめています。

効果測定で見るべき指標と改善サイクル

バナーを配信したら、効果測定を行い改善サイクルを回す必要があります。見るべき指標は配信目的によって異なります。

認知目的の場合

  • インプレッション数:広告が表示された回数
  • リーチ数:広告を見たユニークユーザー数
  • フリークエンシー:1人あたりの平均表示回数。認知の目的、オーディエンス規模、反応の変化を見て目標値を決める
  • CPM(Cost Per Mille):1,000インプレッションあたりの費用

誘導・リード獲得目的の場合

  • CTR(Click Through Rate):クリック率。媒体、配信面、ターゲット、訴求で水準が変わるため、同じ条件で配信した自社広告との比較を基準に見る
  • CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
  • CVR:クリック後のコンバージョン率。バナーではなくLP側の問題で低い場合もあるため、CTRとCVRは分けて分析する
  • CPA(Cost Per Acquisition):1コンバージョンあたりの獲得費用

CTRは伸びたのにCPAが下がらないときは、原因がバナーではなく媒体選定にあることもあります。そもそもSNS広告が目的に合っているかを含めて見直す場合は、Web広告の種類と選び方で媒体ごとの向き不向きを確認してみてください。

改善サイクルの目安

同じバナーへの反応は、時間の経過、ユーザーの接触、配信環境などで変化する場合があります。

差し替え時期は、配信開始時のCTRだけで機械的に決めません。フリークエンシー、コンバージョン数、CPA、配信量、同じ条件で配信した過去のクリエイティブとの比較を合わせて確認し、改善余地が大きい素材から入れ替えます。

制作量が不足する場合は、AIツールでバリエーション展開を補う方法と、制作パートナーに継続的な運用を含めて依頼する方法があります。単発制作と継続支援は、必要なクリエイティブ数、レポート範囲、費用、意思決定の頻度を見積もり、CPAなど事前に置いた目標と照合して選びます。

SNS広告バナー制作の実務チェックリスト

最後に、入稿前に確認したい項目をまとめます。現場で実際に使っているチェックリストの簡易版です。

サイズ・フォーマット

  • 配信先プラットフォームの推奨サイズに準拠しているか
  • ファイル形式は適切か(JPG / PNG / MP4 / MOV)
  • ファイルサイズが上限を超えていないか(Meta:画像30MB以下、動画4GB以下)

デザイン

  • スマホの実機で視認性を確認したか(PCモニターだけで判断しない)
  • テキスト量は最小限に絞れているか
  • CTAが明確に認識できるか
  • ストーリーズ / リール面の上下に操作UIが被る領域を避けているか

コピー

  • 広告ポリシーに抵触する表現がないか(各プラットフォームの審査基準を確認)
  • 数値やデータの根拠はあるか(「No.1」「業界最安」等は要注意)
  • ターゲットに刺さる訴求軸になっているか

ABテスト準備

  • 最低2パターン以上のクリエイティブを用意したか
  • テスト項目は1要素に絞れているか
  • 判断基準となるKPIと目標値を事前に決めたか

よくある質問

Q. 1つのバナーを全媒体で使い回せますか。

比率が合わない素材は、媒体側の表示でキャッチコピーやロゴが欠ける可能性があります。配信する媒体の比率ごとに書き出し、広告管理画面のプレビューと実機表示で確認してください。

Q. 静止画と動画、どちらから着手すべきですか。

配信先と広告形式で決まります。この記事で扱うTikTokのNon-Sparkインフィード広告では動画を使い、縦型9:16を優先します。画像広告など別形式を選ぶ場合は、対象形式の公式仕様に沿って静止画も比較対象にします。MetaやLINEなど静止画に対応する形式では、訴求軸を静止画から検証する方法も選べます。制作リソースが限られる場合も、同じ条件で形式を比較してから制作を広げます。訴求軸の検証方法は、この記事のABテストの節で扱っています。

Q. バナー制作を外注する場合の費用感はどれくらいですか。

費用は、素材の準備、撮影や生成の有無、比率展開、修正回数、納品形式、運用支援の範囲で変わります。静止画1枚の単価だけで決めず、必要な配信面、元データ、比率展開、修正範囲、利用許諾、納期を見積もりに含めて比較してください。

Q. AIで生成した画像をそのまま広告に使っても問題ありませんか。

利用するツールの規約と、生成物の内容の両方を確認する必要があります。商用利用が許可されているツールであっても、既存のキャラクターや実在の人物に酷似した生成物は別のリスクが生じます。判断の基準はAI画像の著作権はどうなる?で整理しています。ツール選びについては画像生成AI比較4選を参考にしてください。

Q. どれくらいの頻度でバナーを差し替えるべきですか。

同じ素材への反応は、同一ユーザーへの接触回数や配信環境の変化で変わることがあります。差し替え頻度をあらかじめ固定せず、フリークエンシー、CTR、コンバージョン数、CPAを確認して、改善余地が大きい素材から新しい案を追加します。差し替えの判断は感覚ではなく、この記事の効果測定の節で挙げた指標をもとに決めてください。

配信データを見ながらクリエイティブを改善する

SNS広告の成果には、ターゲティング、配信面、入札、LP、クリエイティブなど複数の要素が関わります。バナーを評価するときはCTRだけで結論を出さず、CPC、CVR、CPA、広告費を合わせて確認します。同じ条件でクリエイティブを差し替えた前後のデータを比較し、事前に定めたKPIに照らして改善を判断します。

クリエイティブの評価を一度で終えず、媒体の仕様、配信環境、ユーザー行動の変化に合わせて検証を続けます。ABテストと配信データに基づく改善判断を繰り返すことで、次に変える要素を明確にできます。

TEALAへ相談する場合は、現在のクリエイティブ、配信目的、目標KPI、広告管理画面で確認できるデータを整理しておくと、必要な制作・改善範囲を判断しやすくなります。

参考文献